卓  話 

2018年10月17日

ゲスト卓話

「日本株式の展望」

SMBC日興証券エクイティアドバイザリー部 西日本室長 岩本重男氏


 日経平均は¥24,400を超える水準が2週間前にありました。これはバブル期以来の高い水準でしたが、先週から荒れてきて¥22,000すれすれのところまで来ました。ただ、¥27,000までは十分ありえると思います。短期的には10月後半にいったんはピークをつけるという見方が多くなっています。1〜3年の中期的には、ずっと高いわけではなく、ピークは来年の春先から夏場にかけて¥27,000前後ではと思います。景気のピークアウトが1〜2年先と思われます。日本の株式市場、特に東証1部は7割が外国人投資家です。アメリカの景気のピークアウトが早くて来年夏頃と思われます。それを考えると、来年4月頃までは十分高い水準だと思われます。2008年のリーマンショックの時は¥15,000前後から一気に¥7,000まで下りました。これ以来、株価を上げることで景気をよくしようとする政策がとられるようになりました。トランプ大統領は上手に情報を扱い、株価を大変意識した政策運営をしています。短期的にはいったん調整するという見方があります。株価は企業業績を反映しますので、景気動向を考えるとそんなに弱気になることはないといえます。しかし、その後は財政的にも、景気動向の面からも厳しい局面に入ると思われます。場合によっては、株も相当選ばないと難しくなるかもしれません。3年位先では日経平均¥18,000前後までは考える必要があるかもしれません。来年の後半以降は資産的には日本株だけでなくアメリカ株や債券なども取り組まれるとよいでしょう。
 市場ではAIの影響力がかなり強くなっています。証券会社や国によっても精度が変わってくるでしょう。どちらかといえば日本は後発です。AIの情報処理スピードは当然、人間の手はかないません。チャートで分析した結果をAIでトレンドやオシレーター(過熱感)など16ほどの要素で分析させるわけです。業績に関係なくこれらの指数で分析する方法もあるわけで、このような方法が多くなっています。いわゆるアルゴリズムトレードや高速取引といわれ、最速では3,000分の1秒で売買します。たとえばトランプ大統領の発言や単語、報道に反応するようプログラムされているAIも当然あります。証券会社としては今日買って明日売るためのアドバイスではなく、中長期的にどう投資してゆくかという視点に立っています。アメリカの金利動向をみると、トランプ大統領がFRBに対してコメントするような、本来ありえないことも起こっています。財務長官が日米首脳会談で為替条項については触れないと言っていたにもかかわらず、急に為替のことに言及したりしています。日本では消費税増税をひかえ、為替に関しては円が買われる条件がないので、ほぼドルが独歩高に近い状況です。アメリカの企業業績もドル高の悪影響が出始めています。今日は¥22,800と少し上がっていますが、国債の利回りがあまり上がらない中で考えると、相当安い水準と思われます。日本の景気と日経平均あるいは東証株価指数はおそらく違った動きになっています。景気がよくなっている実感はありませんが、上場企業の業績は史上最高水準です。それにしては¥22,800は安すぎる水準です。リーマンショック以降、日米欧のマネーサプライは5倍以上増えています。事象的には米中貿易摩擦は長い感じです。これは明らかに景気にはマイナスですが、それ以外の理由があるのかもしれません。米中の通商問題が長引けば前提は崩れてきます。可能性として高いのは、来年春先までは高い水準、その後、特に2020年以降は世界的な景気のピークアウトで少し厳しい局面でしょう。狙い目の業種としては商社や情報通信の会社でしょう。利回り、資産価値、日銀の政策を考えると銀行、とくにメガバンク系は下がりにくいと思われます。¥22,000を割り込まなければ、以上述べてきたような動きとなるのではないでしょうか。安倍政権も3選され、消費税も増税されるようなので、投資家としてはそこまでの不安材料はありませんが、1〜2年先となると株式以外に、他の資産に分けることも検討されてもよいでしょう。



■卓話TOP /// ■HOME

中津ロータリークラブ Copyright(c)
Rotary Club of Nakatsu
All Rights Reserved.